焼肉の大同門 社長ブログ

6年前から大阪の老舗焼肉チェーン「大同門」の社長をしています。その前は、IT企業の専務>別のIT会社の起業>同時通訳者>大阪府知事通訳。畑違いでも経営という点では共通します。経営や起業、プライベートも含めて書いてます。

アルバイトが取締役になれる世界

先日、鳥貴族の専務とお食事をする機会がありました。

鳥貴族の取締役全員の方がアルバイト出身だそうで、素晴らしいと思いました。

私も外食の世界に入ってまだそんなに年月がたっている訳ではありませんが、あれっと思うこともちらほらあります。

実際この前私どもの会社に来ていただいた方ですが、

独立支援制度があると言われて入ってみたら、正社員で社会保険もなく

交通費も自腹だった、でも独立できると思い我慢していたという人も

いました。

飲食ってそんなものですよという言葉もちらほら聞きます。

アルバイトも使い捨て、社員も使い捨て。

そんな会社、絶対ごめんです。

鳥貴族さんは、素晴らしいロールモデルです。

うちも、アルバイトが取締役になれる日がくることを

目標にしようと思います。

 

自分の頭で考える(Think for yourself)

"Too often we enjoy the comfort of opinion without the discomfort of thought. " John F. Kennedy
 
 非常にレベルの高い英文です。さすがJFKケネディ大統領)。
 
 意味は、自分の頭で考えることなしに、(受け売りの)意見を持ってることで満足しちゃうことが多いものだ、自分の頭で考えないといけないということです。
 今回の米国選挙において、息子の行っている学校の校長先生が繰り返し学生に伝えていたメッセージの中で使われていたものです。学生たちへのメッセージとして、下記を伝えていました。
 
 「相手との対話において必要不可欠なことは、自分が何を伝えたかにもまして、どんなに心地よくなくとも相手方の言い分に耳を傾け、相手のもつ論点を理解することだ。オープンなコミュニケーションと自分とは違う人から学ぶという姿勢が大事であり、それができれば自分も向上するし、自分の属するコミュニティ全体も成長する。」
 
 今回の米国選挙では、アメリカの大手プレスは軒並みヒラリー擁護、トランプ攻撃でした。また、トランプの扇情的なコメントがSNS等でも回ってました。二人の候補者も、相手の攻撃に終始していた感があり、「事実」というものが置き去りにされてイメージ戦争であったように思います。
 
 情報の氾濫の時代の中、何が事実か、本当かどうかを見極める真贋の目が大切であり、また、お互いの違いを理解しよう、学習しようという思うことが、より求められているのです。
 
これは、消費者としての立場としても言えるんじゃないでしょうか。
 
FacebookといったSNSの登場で、これまで以上に消費者側が惑わせられることが多くなっているような気がします。目立つということがセルフ・ブランディングとして成り立っていますし、アテンションマーケティングというような言葉もできました。自分や自分の製品を売り込むという意味では、ビジネス的には正しいと思います。でも実際、全員が誠意をもってやっているかというと、そうではないと思います。
 
消費者が、何が本物なのかをしっかりと見極めることによって、売り込む側の質もあがると思うんです。政治も同じで、誰が本物なのかをしっかりと見極めて投票することでしょう。ただこればっかりは、本物がいないとどうしようもありませんが。。。
 

「まだ女子は日本で育てないほうが良さそうです」・・男女平等ランキング、日本は過去最低111位

2016年10月26日に「男女平等ランキングでの日本の順位が前年よりさらに下がり111位となったという記事がでました。

いろいろな女性がSNSで記事をシェアしてコメントされていましたが、

その中で平山佐知子さんという方のコメントに、

「まだ女子は日本で育てないほうが良さそうです。上位国の女性の働き方やライフスタイルを知らないと、負の連鎖は続きます。」

というのがあり、なるほどなと思いました。

どのような選択肢が女性としてあるのかを知っていると知っていないでは大きな違いです。

日本の中だけにいると、世界の女性の常識がわからなくなります。

この前に母校の女子大でキャリアについて話したときに、

たとえば起業するという選択肢は女性にもあることについて、

話を聞いて初めて気づいたという学生すらいて驚きましたが、

こういう情報格差によって、女性が自ら自分の可能性にふたをしている

ことが多々日本で起こっていると思います。

同じことが地方格差や業界格差として存在していて、

IT業界だと、たしかに起業している女性も多く目にすることもありますが、

別の業界だと企業のトップはやはり男性で占められていることが多いですし、

そんな中で働く女性は、ガラスの天井を感じつつ、

どこかであきらめていくパターンも多いんじゃないでしょうか。

そういった意味で、女性がより自分の人生をコントロールしてはつらつと生きられる様を見れる環境で女の子を育てるのは、一理あるんじゃないかと思いました。

ただ、そうやって育った女性は、日本の社会が変わってなければ、おそらく戻ってこないでしょうね。。

逆に、男の子の育て方を変えるという手があるのでは?

母親がもっと外にでて働いていれば、男の子はそういった母親を

目にして育つわけですから、将来自分の妻が働くのも当然になり、

妻に母親の役割を期待することも減るんじゃないかと思います。

そうすれば、より対等なパートナーとしての男女関係も築けて、

どっちもハッピーになるんじゃないかなーと思います。

なんとか負の連鎖は断ち切りたいものです。

 

「起業家という選択」・・母校キャリアプログラムでの講義

母校の神戸女学院大学のキャリアプロフィールというコースの講義に本日行ってきました。

今回は、女性のキャリアの中に起業家という選択があるということを特に学生たちに伝えたかったので、「起業家という選択」というタイトルにしました。

起業はどうやってするの?起業って何?なぜするのということを私自身の経験談から話したわけですが、講義の後に書いてもらうレポートの中で、結構多くの学生が、今まで起業家という道を仕事のオプションのひとつとして考えたことがなかったけど今日の話を聞いて、リスクもあって大変そうだけどやりがいもあって楽しそうだ、こんな選択肢もあるんだと思ったということを書いてくれていて、たいへん嬉しかったです。

それと同時に、自分で起業するということが、大学生の彼女たちにとってまだまだ遠い世界なんだということも認識しました。

この前メディアで活躍されている女性たちとお食事をしたときに、成功している彼女たちですら、会社の中でガラスの天井があることを感じるとおっしゃってました。

このコースは、卒業生が自分たちのキャリアを在学生にシェアすることで、いろいろな選択肢を若い女性たちに示せる素晴らしいものだったのですが、残念ながらカリキュラムの変更で今年が最終。今後も異なる形で、女性一人一人がより多くの選択肢を持ち、主体的に選択できる社会への実現に貢献して行きたいです。

 

可愛げがあるビジネスマンは成功する

昔は、「男は度胸、女は愛嬌」といわれたものですが、

男にも女にも、今の時代、「可愛げ」が必要かと思います。

 

可愛げがある人は、周りをほっとした気分にするので、

お付き合いもしたくなったり、何となく困っていると

手を差し伸べようかなって思ってしまいます。

例えばプロジェクトをしている人がいて、

「どうなの?うまく行ってる?」と聞いてみたときに、

「はい、大丈夫です。状況聞いていただいてありがとうございます。

何かあったらアドバイス聞きに行きますので是非お願いします!」

と可愛げたっぷりに答えてくれると、アドバイスしようって

思ってしまうものです。魚心あれば水心ですね。

 

たまに、自分が「認めている」人だけには、可愛げを見せるタイプの

人がいます。こういう人は、あるところまで行くのですが、

結局、人によって見せる可愛げの落差が大きすぎ、

敵を作る場合も多く、せっかくポテンシャルがあるのに残念なパターンです。

気をつけたいものです。

組織の中にいても、ピンで活動していたとしても、

この世の中はすべて人とのつながりで成り立っているもの。

引き立てや紹介も、可愛げのない奴にはしないものですよね。

 

自分に余裕がないと、可愛げもでないものなので、

自分の心を磨いて、可愛げのある大人で居続けたいものです。

ダメもと

【「ダメもと」とは、「ダメでもともと」の略で「無理を承知でやってみる」とか「やってみてできたらよい」というひそかな願望のこと】参照元ダメもと(だめもと) - 日本語俗語辞書

 その昔、うちの母親が大同門でお出しする焼肉に

和食のプレゼンの美しさなどといった要素を取り入れたいと考え、

当時日本料理研究家の第一人者でもあった、志の島忠先生

なんとかお力を貸していただけないかと直接交渉にいったそうです。

当時、焼肉レストランといっても、和食の専門家から見れば、たかが焼肉。

周りは、そんなえらい先生が会ってくれるはずがないと

否定的なムードだったとのことです。

そこを、さすが焼肉定食も生み出したうちの母親。

「ダメもと」で先生を訪問しにでかけていったそうです。

最初は、紹介もなかったため、会ってもくれなかったらしいですが、

ねばってねばって、ついになぜ焼肉に和食を取り入れたいか

という熱い想いを先生につげたところ、

先生が手伝ってくれることになったとか。

その後、私も若いときに先生とお会いさせていただいたことが

何回もあり、家族ぐるみでお付き合いさせていただくほどにもなりました。

素敵な先生でした。

現在の焼肉レストランで、和の食器を使ったり、

非常にきれいに肉をならべるというのも

大同門でのそのような歴史も一役買っているんじゃないかと思います。

それはさておいて、

周りがすべて「無理」「ダメ」と言っているときにも、

「ダメもとで」と考えてみたら、

案外突破口を見いだせるんじゃないかと思ってます。

結構やってみずに最初から、どうせ無理、どうせだめと

あきらめてしまっている人も多いと思います。

一見ダメだと思えても、あたって砕けることで、新しい活路が

見出せることは多いです。

「ダメもと」おすすめします。

*もちろん、相手がある場合は、自分の都合だけ押すのでは迷惑なだけで、

為せばなるものも為せばならなくなっちゃうので、お気を付け下さい。

 

良い提案とはお客さまが欲しいといったものを与えることではない

自宅の庭が地面むき出しで雑草ぼうぼうになっているのを仕事の忙しさにかまけて、ここ何年も手つかずにしてきました。まあ、ガーデニングの才もないこともあり、、

さすがにこのままではという状態になったので、思い切ってエクステリア&ガーデニング専門の業者さん2社から提案をもらうことにしました。

手を付けると決めると想いは膨らみます。小さい庭ではあるけど、イタリアのトスカーナにある田舎の庭調にしたいなぁと思い始めました。

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こんなイメージです。

業者さんにも写真をいろいろと見せてやりたいことを説明して提案をお願いしました。

で、それぞれから提案があがってきました。

まず片方の業者さんからは、私がいった「欲しい」という要素をすべて盛り込んだご提案をいただきました。庭の中央にはオブジェ、壁にはイタリアの水栓、オーニング(日よけ)などなど。

そのご提案から一週間後にもう一方の業者さんが来られてご提案を見せていただいたら、

「えっ?」

という感じ。

ザ・シンプルで、いまあるテラコッタ色のタイルをいかして、あとは芝生とプラントですっきりと見せるという提案でした。

こっちの要望は聞いていたのかといささかむっとしながら

「芝生はこれまで何回もやってみましたが大きな木があり影になるので無理だとお伝えしましたよね」と突っ込むと

「それはお伺いしましたが、実は芝生がはえなかったのは日陰になっていたというよりも、このように木が育っていると木の根っこが地面の下にはびこっているために、芝生が育たなかったのです。ですので、ここの土をさわらなければ何を植えても育ちません。砂を大量にいれることで、芝生が育つ環境をまず作ってやります。ゴルフ場も同じことなんです。」

と説明いただきました。

さらに、

「いろいろとご要望はお伺いしたのですが、玄関の部分のデザインや家との調和を考えると、あまりやりすぎると合わないと思います。イタリア的要素をテラコッタの壺等でうまく見せることで、バランスとれた空間になると思いました。また、多くの植物を植えても、結局1年後のメンテを考えるとその時はいいのですが、1年後になくなってしまっている可能性が大きいと思います。まずはこの案をたたき台にして、徐々にご一緒に作っていければと思いまして。」

きちんとした理由を聞いて、よくよく考えてみると確かにそうだなと思い始めてしまいました。その後、いろいろとQ&Aを繰り返して、ある程度の合意ができたので、改めて見積もりを頼むことにしました。

さて、この2つの提案で、どちらにより心が動いたか。

実際は、後者でした。

お客様が自分の本当に欲しいものをわかっていない場合もあるわけで、専門家としては、そのお客様が潜在的に必要で欲しいものを見つけ出して提案する営業をしてこそ、専門家がプロである所以であり、また結局顧客満足につながるのではないかと思った次第です。

もちろん、そのような提案をしても、お客様にわかってもらえない場合も多々あるわけで、結局自分の欲しいといったものをすべて提供するといっている業者を選択することもあるため、リスクはあるのですが、顧客の立場に立って考えるプロというのは、そのようなリスクも負うべきであろうと思いました。

良い提案とは、必ずしもお客様が欲しいといったものを全て与えることではなく、お客様が自分で気が付いていないような隠れたニーズやウォンツを見つけ出して提案することかと。